東村、民泊1万人超 10年で12倍、農業体験で急成長受け入れ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
民泊でシークヮーサー搾りを体験する生徒ら=東村有銘

 【東】日本一の生産量を誇るパイナップルで有名な東村だが、近年は国の天然記念物に指定された慶佐次湾のマングローブ林や福地・新川両ダムの豊富な水など、自然を生かした観光業が盛んだ。特に、民泊事業は2012年度の受け入れ人数が1万1417人と、初めて1万人を超えた。

ことし村制施行90周年を迎えた東村。地域振興の新たな核となる民泊に期待が高まっている。
 村の観光窓口となる東村観光推進協議会は2005年に設立された。民泊事業を始めた04年度の受け入れは15校955人だったが、本年度は68校1万2325人を受け入れる予定だ。人数は10年で12倍以上に増え、右肩上がりで伸び続ける。
 同村の民泊は、日本一の生産を誇るパインなど、ヤンバルならではの農業体験が中心となる。民泊利用者のほとんどは県外の学校や団体。21日も大阪府の長野北高校から2年生の生徒156人が同村に訪れた。
 同村有銘の具志堅弘子さん(56)宅には4人の女子生徒が滞在。シークヮーサーの収穫と果汁を利用したジュース作り、海で採った貝殻でのクラフト作りなど、さまざまな活動を体験した。佐藤安莉沙さんは「退屈じゃなくて楽しい。ご飯もおいしい」と笑顔を見せる。受け入れ農家を8年続ける具志堅さんは「自分の子どもが来たみたいで家が明るくなる。1日目から何をさせようか楽しみ」と話した。
 今後協議会は、シュノーケリングなど海洋資源を活用したブルーツーリズムの事業も増やし、農業体験中心の民泊プログラムの幅を広げていく予定だ。港川實登理事長は「受け入れ側の質も高めながら、オフシーズンなども含めてバランスよく利用客を増やしていきたい」と意気込んだ。