【アメリカ】ジャンル超え琴演奏で魅了 粟屋会


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
フィナーレで観客にマイクで感謝のあいさつをする粟屋洋子さん(前列右から2人目)、司会の比嘉光龍さん(中央)=米トーランス市のアームストロング劇場

 南カリフォルニアのガーデナ市で38年前に創立された粟屋洋子主宰粟屋会の筝曲コンサートが11月3日、トーランス市のアームストロング劇場で開かれた。

 粟屋会のコンサートは18回目。日本から尺八演奏者を招き、比嘉光龍(バイロン)さんが司会を担当した。
 演奏会では、琴演奏の高度な技術を要するバイオリン協奏曲、祝典協奏曲、さくらイレブン、氷上の舞などが演奏された。
 「鹿の遠音」では、世界で活躍する尺八奏者柿堺香さんと、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で尺八を教えているビル・シュルツさんの共演があり、観客に強い感銘を与えた。
 「涙そうそう」「愛よ愛よ」「豊年太鼓」など琉球民謡の演奏もあり、照屋勝子筝曲研究会や琉球國祭り太鼓らの共演、子ども音楽では共同システム生徒コーラス・グループの合唱がバックアップして、会場を盛り上げた。
 比嘉さんがウチナーグチ、日本語でユーモアを交えて会を進行し、ジョセフ・ジョーンズさんがそれを全て英語に訳し、絶妙のコンビに会場が沸いた。フィナーレ近くにバイロンさんの三線に合わせてジョセフさんが「上り口説」を舞い、プログラムにはない特別出演に、大きな拍手が送られた。
 比嘉さんがロサンゼルス空港に着く9時間前に同空港で銃乱射事件があり、全米中騒然となった。さらに翌日の朝早くホテルで寝ていると銃声が5発聞こえ、度肝を抜かれたという。だが「それでも私はアメリカが好きです。もう一度来たい」と付け加えるのを忘れなかった。(当銘貞夫通信員)