【アメリカ】キャリン比嘉さん死去 芸術作品研究で功績


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右からキャリン比嘉さん、沖縄県立博物館・美術館の與那原慧副館長(当時)、ニッキー・チャング日米国立博物館コレクション・マネジャー(当時)=2008年10月、米カリフォルニア州の日米博物館

 1992年から2006年までリトル東京の日米国立博物館の図書館長を務め「アジア系米国人の芸術作品の研究者」と知られたキャリン比嘉さんが10月29日、米ロサンゼルスの自宅で死去した。享年47。

ロサンゼルス市生まれ。ことし2月以降がんを患い、闘病生活を送っていたが帰らぬ人となった。夫のラッセル・ファーガソンカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の教授が発表した。
 比嘉さんは2000年、日米国立博物館勤務当時、第2次世界大戦中の日系人強制収容所をテーマにした展示会の開催などが評価され「ノートン・ファミリー財団」から補助金5万ドル(約550万円当時)を授与された。1987年にコロンビア大学卒業、97年にUCLAで修士号を取得。母親が鹿児島県出身で、父方の祖父が北中城村出身の3世。カリフォルニア大学アーバイン校などで教鞭(きょうべん)を執った。
 ハワイ出身でニュージャージー在住の陶芸家・高江洲敏子さんの個展を2010年に予定した沖縄県立博物館・美術館の與那原慧(さとし)副館長(当時)がロサンゼルス・リトル東京にある日米国立博物館を訪れ、同博物館が所有する高江洲さんの作品の借り受けについてキャリン比嘉さんと話し合った。高江洲さんは高齢のためカリフォルニア在住の比嘉さんに契約を一任した。比嘉さんは当時、日米国立博物館には月に4回ほど出勤していた。
 沖縄県人会のセミナーで自分の経歴について講演したこともある。(当銘貞夫通信員)