南城市「デマンドバス」実験開始 要望に応じて配車


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デマンドバスを見送る市内関係者ら=9日、南城市玉城

 【南城】南城市は利用者の要望(デマンド)に応じて、バスを乗り降りできる「デマンドバス」の実証実験を9日、開始した。実験を重ね、2016年度の本格運用を目指す。本年度までは無料で利用できる。

 南城市は06年の4町村合併で、窓口業務などの行政サービスに関し、市民の移動範囲が広がった。その結果、目的地に行く際、バスの運行本数が少ないことなどから、高齢者を中心に交通弱者が発生し、不便の声が上がっていた。
 また、観光地の近くに停留所やバスの運行本数が少ないのが現状となっている。観光客がレンタカーを利用する「通過型観光」が観光振興の妨げにもなっていた。
 利用者がコールセンターに利用日時、目的地などを伝えると、バスが配車される。ルートは利用者の要望に応じて設定する。市内を中心に運行している路線バス会社やタクシー会社とともに「地域公共交通会議」を設置し、本格運用に向けて話し合う。同会議で料金決定後、有料での実験へ移行する予定。
 区域は久高島を除く市内全域で、対象は市在住の65歳以上と市を訪れる観光客。運行日時は12月31日から1月3日を除く午前8時~午後9時。市民は市役所などに置かれている用紙に記入し、登録する。観光客は登録の必要はない。
 古謝景春市長は「デマンドバスの実証実験の検証を重ね、課題解決につなげたい」とあいさつした。問い合わせは(電話)098(949)1235。