【ロサンゼルス】一人娘の活躍 誇り 本部町出身の桃原さん


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 本部町具志堅出身の桃原昌男さん(69)の娘マサコ・トーバルさん(29)が米国のロサンゼルス・タイムズに紹介された。ロサンゼルス近郊富裕層が住むアナハイム・ヒルズの劇場経営のプロダクション・マネジャーとして手腕を発揮しているという内容だ。

 マサコさんは昌男さんの一人娘で、カリフォルニア大学アーバイン校演劇学部を卒業した。父親の昌男さんに言わせると「小さいときはあまり落ち着きのない子で、小遣いばかりせがんでいたが、上級になるに従って成績も上がり、一人前に成長していった」と喜んでいる。
 昌男さんは上本部中学校を卒業し、大きな夢を抱いてロサンゼルスへ移住したのが26歳の時だった。ロサンゼルスの下町にスナック・バー(居酒屋)を経営、その間に結婚、10年ほど店を続けた。だが夜のビジネスは不健康でお客と一緒に飲んだくれの毎日で、収入にはあまり結び付かなかった。
 次に取り組んだのがガーデニング(庭園業)。同時に再婚相手の女性との間に生まれたのがマサコさんだ。ガーデナーの朝は早い。ほこりと汗まみれになって働き、一日の仕事を終わって一杯のビールを飲むことを幸せに、何よりも娘の大学教育をサポートすることができたと、しみじみ語る。
 昌男さんはくよくよしない性格で、いつでも笑顔で人と接している。「うだつの上がらない70年近くを歩んできた。一人娘の活躍を横目で見ながら余生を楽しく過ごしたい」と話し、敬愛する歌手・北島三郎さんの演歌を口ずさんだ。(当銘貞夫通信員)

娘マサコさんの記事が掲載されたロサンゼルス・タイムズを片手に取材に応じる桃原昌男さん=北米沖縄県人会パーキング場
ロサンゼルス・タイムズ(7月14日付)に掲載されたマサコ・トーバルさんの記事