岩手、八重山の米で泡盛 友好都市記念「かけはし」


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出来たての泡盛「かけはし」を手に笑顔を見せる請福酒造の漢那惠子専務=22日、石垣市宮良の請福酒造宮良工場

 【石垣】岩手県北上市と石垣市が25日に友好都市を結ぶことを記念し、請福酒造(石垣市、漢那憲隆社長)は岩手産の米品種「かけはし」と八重山産の「ひとめぼれ」を半分ずつ使った泡盛「かけはし」を生産した。

蒸留は全て手作業で行い、20年以上続く両市の交流に思いを込めた。
 米品種「かけはし」は1993年に岩手県を襲った大冷害で種もみが壊滅状態になり、石垣島で緊急に種もみ増殖をした2品種のうちの一つ。請福酒造は「かけはし」を使った泡盛「南雪」を99年から2005年まで生産、販売したことがある。
 八重山産「ひとめぼれ」も種もみ交流が縁で作られるようになった。泡盛はタイ米が原料だが、請福酒造はJAの協力の下、「ひとめぼれ」を使った泡盛「やいま」を生産している。
 岩手県で「かけはし」の生産量が落ちている中、請福酒造の漢那惠子専務は友好都市締結に向け、「かけはし」を岩手からかき集め、今は販売していない「南雪」を手造りした。「ひとめぼれ」で造った泡盛「やいま」と1対1でブレンドし、泡盛「かけはし」が誕生した。
 生産数は150本で、ラベルにはシリアルナンバーも打った。友好都市締結式典に参加する交流団が請福酒造を訪れる24日に合わせて発売予定で、一般に出回る可能性は低い。