辺野古反対運動「対策を」 島尻氏、政府に要求


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島尻安伊子氏

 【東京】県選出の島尻安伊子自民党参院議員は5日の参院予算委員会で質問に立ち、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設問題に関し、1月に再選された稲嶺進名護市長が市長権限を行使して移設を阻止すると述べていることについて「政治目的から行政の権限を乱用することは地方自治法上問題だ」と述べ、移設に賛成する立場から稲嶺市長の姿勢を強く批判した。

その上で辺野古埋め立てに伴う住民らの反対運動に対し「危険な行為に先んじて対策を打つことが必要だ」などと述べ、反対運動を事前に抑え込むべきだと政府の対応を強く求めた。
 予算委で島尻氏は「移設反対と主張するのは自由だが、これではただ混乱が続くだけだ」と市長を批判。政府側に「(名護市長の)こうした問題行為を阻止是正するために、どのような方法があるのか」と尋ねた。
 これに対し新藤義孝総務相は「権限が乱用されることはあってはならない」と市長をけん制しつつ、「関係法令に従って適切に処理が進められると考えている。地元の皆さまとの話し合いが重要だ」と述べ、是正要求の発動などに関しては慎重姿勢を示した。
 島尻氏は「埋め立て工事では違法な妨害活動を阻止しなければならない。警察と海上保安庁の積極的な対応が必要だ」とも質問。
 古屋圭司国家公安委員長は「法と証拠に基づいて違法行為が行われたのであればちゅうちょすることなく、厳正に対処するよう沖縄県警にもしっかり指示したい」と答えたが、島尻氏は「発生したら遅いのではないか」と再質問し、普天間の5年以内の運用停止に向け、政府を挙げて辺野古移設を早期に実現することが重要だと強調した。
 一方、安倍晋三首相は「関係機関や自治体とも協力し、危険防止に万全を期していきたい」と述べた。
 発言について島尻氏は取材に対し「事前に反対運動を取り締まれという趣旨ではない。反対活動家、業者側の双方に不慮の事故が起こらないよう警備をしっかりすることが重要だ」と説明した。名護市長の姿勢に関しては「法治国家として政治思想ではなく法律に基づいて手続きを踏むべきだ。法的な不備があると判断すれば政府と協議すればよい」と述べた。