【キラリ大地で】アメリカ 和子・アンダーヒルさん(宜野湾市出身)


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和子・アンダーヒルさん(右)と夫のデビットさん

日系人高齢者を支え活動
 宜野湾市愛知出身の和子・アンダーヒルさん(66)=旧姓伊波=はラスベガス沖縄県人会の会長職を務める一方、日系人高齢者のためのボランティア活動をしており多忙な毎日を送っている。

 「私たちはつながっています」とうたう非営利団体「Kizuna Japanese Society」(絆日本社会)のディレクターとして会の運営に携わっている和子さん。「日系高齢者が一人でも安心して暮らせる環境づくりを目指している。介護や送迎のほか、話し相手になるなどのサービスを実施。いずれは日系人のための高齢者ホームをつくることを目的にしている」と語る。
 ほかにも定期的に専門的知識のある会員による遺書作りや保険の知識のセミナーを開き、コンピューター、手芸、料理のクラスなども開いている。
 「人は孤独が一番つらい。1人暮らしの高齢者を食事会やピクニックなどに誘い、心身の健康維持にも心掛けている。ラスベガスの地域を七つの区域に分けそれぞれに責任者を置き、どんな問題にも対処するようにしている。会員も増え続け、今後企業に働き掛けて寄付が集まるよう実績づくりに頑張っている」と熱弁する。
 パンフレットには会の趣旨として「絆日本人会は思いやりの輪を広げ調和と感謝の心で人のために尽くすことを心得としている」とある。
 和子さんのパワフルな行動力とボランティア精神は、人のために尽くすことを喜びとする本来の性分からきているほか、結婚後にオレゴン州に引っ越して日系人高齢者のために温かい昼食を提供する組織のディレクター職に就いた時に培われてきた。和子さんは「国や市から認可を受け補助金をもらい栄養不足になる高齢者のために栄養が行き届いた食事のサービスを行ってきた」と話す。
 そこで7年ほど働いた後、ビジネスパートナーの話がありラスベガスに移転。その後航空会社に勤め日本人ツアーの観光ガイドとしてグランドキャニオンなどを案内した。時はバブル全盛期、日本からの観光客が押し寄せ、飛行機、バスを使い1日3回のツアーをフル回転でこなした。「日本人に雄大な自然の美しさを紹介でき、充実した楽しい毎日だった」と話した。
 今、和子さんは、県人会の会員に週2日、3世や韓国人に月2回三線を教えている。またさまざまな問題で困っている沖縄系の女性たちの相談を受け、その世話にも一役買っている。そのほか、茶道やゴルフ、詩吟、カラオケと多趣味だ。免許皆伝した茶道は茶室のあるアメリカ人宅でたしなんでいる。
 和子さんは「将来はラスベガス商工会秋祭りでエイサーを披露したい。そのつてを探している。ラスベガス市には日本の姉妹都市がないので沖縄の地から姉妹都市の候補を探したい」と語った。夫のデビットさんと2人暮らし。(鈴木多美子通信員)