【島人の目】レゾルーション


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 アメリカで6カ月間の語学研修の留学を終え帰国の途についた沖縄からの留学生N子さんの激励会をわが家で挙行した。集まった8人は私の息子、娘を入れて20代が2人、30代1人、後の5人は還暦を過ぎていた。
 アメリカ留学の成果と今後の進路についてN子さんに聞いた。アメリカ人は良く年末に「What is your new year’s resolution?」とか「President Bush’s Resolution」は何々であるという風な表現をする。Resolution(レゾルーション)とは決意、計画、抱負などと訳される言葉だ。
 N子さんは沖縄で中学校の教師を目指している。アメリカ留学は一時あきらめたが、姉さんからの借金で実現したという。
 「留学は単に英語の勉強だけではないということ。やはりここに来て自分の世界観はかなり変わった。これはきっと沖縄で英語を勉強しているだけでは絶対得られなかったものだなと思う。この留学を通して、多くの人と触れ合い、助けられ、刺激し合う中で、勉強以上の多くのものを、かけがえのない財産として手に入れることができた」「私のレゾルーションは何かと聞かれると、こういう経験や考えを将来教師として生徒たちに伝えていくことが自分の新たな夢だと答えたい」
 アメリカにもいじめや児童虐待などの問題はあるが、自殺はあまりない。外国で学んだいいものを日本の教育に生かしていくことができる基盤作りが重要ではないか。日本の子供は「先進国の中で最も孤独」とユニセフが発表している。教育環境改善のためにも外国留学経験の若者の意見を尊重したい。
(当銘貞夫、米国通信員)