三線の名器 一堂に 芸大OBら「開鐘」5丁を演奏


社会
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開鐘を弾く県立芸大のOBら=16日、那覇市の県立博物館・美術館

 琉球王国時代の三線の名器「開鐘(けーじょー)」を一堂に集め、演奏する「三線名器・開鐘の競演」が16日、那覇市の県立博物館・美術館で開催された。

開鐘は「盛嶋(むりしま)開鐘」「翁長(うなが)開鐘」「志多伯開鐘」「湧川(わくがー)開鐘」「富盛(とぅむい)開鐘」の五つで、県の文化財に指定されている。同館は昨年11月に開鐘5丁のCD録音をしたが、一般客を前に5丁を演奏するのは初めて。
 演奏会は、同館の企画展「三線のチカラ」の関連で催された。県立芸大のOBら5人が、1人ずつ古典を弾いたり、全員で斉唱したりした。化学繊維の弦ではなく絹糸を使い、王国時代の音を再現した。盛嶋開鐘を弾いた仲村渠達也さんは「弾き始めと演奏会が終わるころでは音が違い、三線が目覚めていくようだった。タイムスリップした気持ちだった」と語った。翁長開鐘を弾いた新垣俊道さんは「絹糸の音は柔らかく余韻がある」と話した。