【ワシントンDC】県内歌手らで結成The Ryukyuans


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 「ミュージック・フロム・ジャパン2014年」コンサートがこのほど、ワシントンDCで開催され、沖縄のミュージシャンで結成された「The Ryukyuans」が『沖縄の唄 今・昔』をテーマに熱唱した。

 ミュージック・フロム・ジャパンは、日本の音楽界で活躍するアーティストのアメリカや世界各地での演奏活動を支え、音楽を通して日本をアピールし、両国の友好に役立てる目的で1975年に設立された非営利団体。理事長の三浦尚之氏は「今年で39年を迎えた。アメリカ人に沖縄を知ってほしいと、沖縄で地元の音楽家をリサーチし、古典、現代音楽を披露できる沖縄の演奏家を連れて来た」と語る。
 今回参加したアーティストは、石垣島出身で唄・三線の新良幸人さん。唄・三線・ギターで宮古島出身の下地勇さん。北谷町出身で唄・三線の松田しのぶさん。島太鼓と囃子の大阪生まれ、石垣島育ちの仲宗根哲さんを加えた4人が、今回の音楽祭ツアーのために「The Ryukyuans」を結成した。
 ニューヨーク公演に引き続き、雪が舞う2月26日午前にワシントンDCにあるスミソニアンのフリアー美術館の講堂でコンサートを開催。同館担当者が沖縄の音楽について説明し、三線や太鼓について紹介した。
 ライブは新良さんの八重山民謡の「ゆんたしょーら」で開幕し、下地勇さんは宮古民謡の『伊良部トーガニー』を披露した。松田しのぶさんが『ナークニー』『嘉手久』など歌声を響かせた。休憩後は、新良さんが『月の美しや』『あがろうざ』など情感あふれる八重山民謡を披露した。その後は、新良さん作詩の『風ゆイヤリ』、下地勇さん作曲『ジャズィーミヤーク』、2人で作った『SAKISHIMAのテーマ』を、最後には『夏至南風』が紹介され、観客もテンポの良い快活な調べに乗って、手拍子で盛り上げた。
 全曲終了後、会場は感動した観客が立って拍手を送った。アンコールに応えて、2曲が披露されると、観客も大喜び。沖縄会のメンバーの1人は「鳥肌が立つほど感動した」と興奮覚めやらない様子だった。出演者は「満足だったが、まだまだやりたかった。耳の肥えたアメリカ人に受け入れられるか心配だったが、誰かの心をつかんだ実感がある」と感想を述べた。
 コンサートの模様は翌日のワシントンポストに掲載され、沖縄音楽の魅力について触れていた。
 (鈴木多美子通信員)