【アメリカ】佐賀担う人材派遣 起業など現場視察


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歓迎晩餐会終了後の使節団一行と佐賀県人会関連者ら。前列左端が飯盛裕介佐賀県人会長=ステーキハウス・トニーローマ・レストラン

 これからの佐賀県、日本を担う国際的な人材を育成する目的で、3月3日から16日までの約2週間、アメリカ西海岸に大学生8人と高校生2人を派遣した。
 佐賀県が幕末維新期に遣米・遣欧使節団として若者を世界に送り出し、明治期の日本をリードする多数の人材を輩出したという歴史を現代に再現することが、コンセプト。

 熊本大、東大、佐賀大、京大、立教大、西南学院大、県立広島大、久留米大などの大学生海外使節団は、教育、エネルギー、工学、福祉、経営、医療、農業といった幅広い分野のメンバーで構成されている。シリコンバレー等の企業、NPO団体、現地で活躍する起業家、研究者を訪問した。
 シリコンバレー、UCバークレー、スタンフォード大など5日間の見学を終えた一行は、次の予定地をロサンゼルスに移し、UCLA、全米日系人博物館、南加日系商工会議所、日本国総領事館などを視察した。 8日夜に南加佐賀県人会(飯盛裕介会長)主催で歓迎会の晩餐会が、ロサンゼルスの隣接都市トーランス市のステーキ・レストランで行われた。 自己紹介が行われ、メンバーは視察目的と将来の展望を述べた。不妊治療、脳機能障害のリハビリ、発展途上国の開発、地球地域環境学の研究(陣内聡-熊本大理学部)など、多彩な報告があった。東大工学部物理工学科3年の小川翔平さんは「大学院をアメリカの大学に留学、半導体の新素材の開発につなげたい。将来は海外で自分の夢を実現できれば」、京大農学部食料環境経済学科1年の宮崎優也さんは「農業の新しい流通過程の研究に取り組んでいきたい」と語った。
 使節団10人の中に2人の高校生が参加しているが、うち1人が宜野湾出身の平良糸さん(佐賀県弘学館高校1年)。平良さんは、中学から留学し、大学医学部の進学と、皮膚科の医者を目指している。国吉信義北米沖縄県人会長も平良さんを激励するために晩餐会に出席した。(当銘貞夫通信員)