「規範の琉球語必要」 しまくとぅば復興シンポ


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しまくとぅばの復興について議論する(左から)崎山律子氏、佐藤優氏、宮良信詳氏、宮城=内海恵美子氏、上原康司氏、謝花直美氏=24日、那覇市のパレット市民劇場

 那覇市文化協会は24日、同市のパレット市民劇場で、シンポジウム「沖縄自立への道 しまくとぅばの復興と自己決定権」を開催した。作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏が講演、4人のパネリストが登壇した。日本への同化政策などで失われたしまくとぅばを取り戻すための課題、沖縄の自立に向け議論を深めた。

 パネリストは宮良信詳琉大名誉教授、宮城=内海恵美子琉大准教授、上原康司琉球新報文化部長、謝花直美沖縄タイムス編集委員。フリージャーナリストの崎山律子氏がコーディネーターを務めた。
 佐藤氏は、沖縄への構造的差別に抵抗できるのは、文化の力であり、その中心がしまくとぅばだと訴えた。「沖縄の政治的自立には(しまくとぅばで)公文書を作らないといけない。規範となる琉球語が必要だ」として、しまくとぅばの書き方の規則を定めた正書法と、同時に標準語を定める必要性を強調した。さらに「行政が暫定的な正書法を決め、固定させないで見直すことが大事」と指摘した。
 宮城=内海氏は「うちなーぐちには宝のような言葉がいっぱいある」と語った。うちなーんちゅにしまくとぅばを使う潜在的な力が眠っていることを指摘した。
 上原部長と謝花編集委員は、しまくとぅば関連報道の取り組みを紹介した。上原部長は、文字だけでなく音声で伝える重要性を語った。宮良氏は、しまくとぅばがつくり出すうちなーんちゅの精神世界などを解説した。