社会

琉球の漢文70点収録 県内外20施設分、36冊に

貴重な漢文資料を収めた「琉球王国漢文文献集成」36冊を囲む(左から)陳教授、楊教授、榮野川館長、高津教授=うるま市立図書館

 【うるま】琉球王国時代に編まれた漢文の文献や漢文の著作をまとめた「琉球王国漢文文献集成」全36冊がこのほど、中国・上海復旦大学出版部から発刊された。日中の研究者が協力し、県内や国内外の20施設が所蔵する資料70点余を収めた。続編の出版も予定されている。

 出版に関わったうるま市立図書館の榮野川敦館長は「戦争で焼失したとされている資料の調査を20年かけて行い、600点の資料をさまざまな施設が保管していたことを確認した。戦前期にかなりの資料が本土に流出したようだ。これらの資料を一度に見ることができるのは研究者にとって有益ではないか」と話している。
 鹿児島大学法文学部の高津孝教授、国文学研究資料館(東京)の陳捷准教授らが中心となり出版に取り組んだ。県立図書館、琉球大学付属図書館、那覇市歴史博物館など県内施設をはじめ早稲田大、慶応大、上海復旦大など国内外の研究施設が収める18世紀から19世紀の漢文資料を収めた。尚家文書の「球陽」など一般公開されていない資料も含まれている。
 出版成果を確認し、続編の方向性を検討する会合が3月5日、うるま市立図書館で開かれ、高津教授、榮野川館長、上海復旦大の陳正宏、楊志剛両教授が意見を交わした。この中で榮野川館長が山形県内で発見された琉球王府に関連する漢文について報告。高津教授は続編の構想を提案した。復旦大の両教授は「琉球研究を進展させるため、さらなる出版が必要だ」などと力説した。
英文へ→Chinese classic documents from the Ryukyu Kingdom era published