琉球新報社は、3日の憲法記念日を前に、県民を対象に電話世論調査を実施した。その結果、議論となっている集団的自衛権行使容認のための憲法解釈については「変更すべきだと思わない」が59・5%と「変更すべきだと思う」の30・8%を28・7ポイント上回った。政府内で高まる容認論に対し、多くの県民が集団的自衛権の行使に不安を持って反対していることが浮き彫りになった。
改憲をめぐる議論で最大の論点となってきた戦争放棄、戦力不保持を定めた憲法9条については「堅持すべきだ」が60・9%と過半数を超えた。「戦争放棄の1項は維持、戦力不保持の2項は変えるべきだ」は27・5%、「変えて軍事力を持つべきだ」が7%で、改正を求める意見は部分的な改正を合わせても34・5%にとどまった。調査方法が違うため単純な比較はできないが、琉球新報社が2005年に実施した世論調査では、9条を「堅持すべきだ」が56・0%、「改正すべきだ」が40・4%だった。堅持を求める意見は微増傾向にある。
憲法全体の改正に対する考え方では「現状のままでよい」との回答が66・1%と「変えた方がよい」の27・8%を38・3ポイント上回った。
05年の調査では、憲法全体の改正を求める回答は52%と過半数で、現状のままでよいとしたのは41・8%だった。近年、改憲論議が活発化したことにより、逆に国民主権、平和主義、基本的人権の尊重を基本原則とした現行憲法の価値が見直されたとみられる。
調査は沖縄県内に住む有権者を対象に実施。1068軒に電話がつながり、504人から回答を得た。