ボリビア、入植60年で記念曲 県内バンド、地元若者コラボ


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記念楽曲を共同製作する「ジュラフグラフ」と琉球音楽家の大城貴幸さん(右端)=4月13日、那覇市内の音楽スタジオ

 南米・ボリビアの県系人移住地「コロニア・オキナワ」が8月、入植60年を迎えるのを前に、県内とコロニア・オキナワの若者が共同で記念楽曲を製作する。県内で活動する4人組バンド「ジュラフグラフ」と琉球音楽演奏家の大城貴幸さん(27)が製作・演奏した曲の録音データに、コロニア・オキナワの若者らが指笛や太鼓などの音を加えて完成させる。

地球約半周分の距離を超えた共同製作曲は、8月に同地で開催される記念式典で参加者によって歌われ、CDが配布される。
 楽曲製作は県内とコロニア・オキナワの若者同士が連帯を深める「もうひとつのオキナワプロジェクト」の一環で進められている。発起人であり世界若者ウチナーンチュ連合会の玉元三奈美代表(26)は「地球の反対側に同じ『オキナワ』という土地があることを、特に若い人に知ってほしい。移民1世の人から『苦しい時には三線の音に助けられた』という話を聞いた。音楽を通して双方を繋(つな)げたい」と思いを語る。
 曲名は未定。歌詞については、世界ウチナーンチュ連合会が、コロニア・オキナワの人々を対象に「これまでの歴史からどのような思いを歌に残したいか」などを調査した。その結果を基に、連合会が5月末までに仕上げる。今後、インターネット上でも楽曲を公表する。
 ミドルテンポの親しみやすいリズムと伸びやかなメロディーに、三線や琉笛(沖縄の横笛)の音色を折り込んでルーツへの思いを共有した。大城さんは「沖縄の風や匂いを感じてもらえるよう意識した」と話した。ジュラフグラフのボーカル・眞座孝春さん(27)は「ボリビアのオキナワまで声を届ける気持ちで歌いたい」と意気込んだ。(長浜良起)