セルラーが野菜工場 社内ベンチャー、来月試験販売へ


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衛生管理を徹底した植物工場の内部(沖縄セルラー提供)

 沖縄セルラー電話(北川洋社長)は社内ベンチャー制度の一環で、南城市玉城の同社南城ネットワークセンターの敷地内に植物工場を開設した。栽培したレタスなどの野菜を6月から試験的に、スーパーのリウボウストアの一部店舗で販売を開始する。

栽培された野菜はえぐみや苦みが少なく、豊富なビタミンやミネラルを含むことが特徴という。
 沖縄セルラーは2013年、地域経済の発展や活性化を目的として、南城ネットワークセンター内に、約80平方メートルの鉄骨造り平屋建ての植物工場を建設。社内ベンチャー制度による人材育成の一環として、植物工場の実証事業を開始した。
 全国13都道府県や南極の昭和基地で植物工場の運営を手掛ける「みらい」(東京都、嶋村茂治社長)と施設内の温度管理や水と肥料の利用方法などで業務提携。自社のネットワークを使った遠隔監視制御システムを構築するなど、採算性が取れる収益体制を構築できるか検証している。
 植物工場では、レタス類やバジルなどハーブ類を栽培。1日で約300株を収穫し、工場内で袋詰めまで行う。収穫した野菜は、ホテルや飲食店向けに販売しているほか、社員食堂で従業員向けにも販売している。
 リウボウストア向けに販売する野菜は、全国的に知名度の高い「みらい畑」ブランドとして出荷する。
 沖縄セルラーはリウボウでの販売状況などを見て、工場の増床を検討するほか、将来的には、県内農家にも、普及活動を行っていく方針だ。
 同社ビジネス開発部開発グループの加賀武史課長補佐は「沖縄は台風が多く、葉野菜は県外に依存している部分が強い。今後、コスト面をクリアしていくことで、県民の皆さんに安全で安心な野菜を届けていきたい」と話した。(佐々木健)