前原、逆転サヨナラ 夏の甲子園県大会第2日


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興南―前原 サヨナラ打を放った伊波陽一朗を囲んで喜びを爆発させる前原ナイン=22日、沖縄セルラースタジアム那覇(金良孝矢撮影)

 第96回全国高校野球選手権沖縄大会第2日は22日、コザしんきんスタジアムなどで1回戦8試合を行い、前原が興南に2―1でサヨナラ勝ちした。

宜野湾は小禄に3―2で競り勝ち、沖縄高専、石川、那覇国際、浦添工、浦添、宜野座も初戦を突破した。第3日の23日は同スタジアムなどで1回戦9試合を行う。

◆前原/代打伊波殊勲、興南破る
 1―1の九回2死二塁。「相手は直球しか投げてこない」。前原の代打、伊波陽一朗が狙い通り振り抜いた白球は中堅へ飛び、劇的なサヨナラ打となった。我慢を重ねた前原が最後の最後に勝利の女神を振り向かせた。大川基樹監督も「1回戦ではなかなかお目にかかれない試合」と興奮冷めやらぬ様子だった。
 先発の西野光人はほぼ毎回走者を背負いながら、変化球で打ち気をかわして要所を締めた。八回1死一、三塁から登板した内間颯汰も1失点にしのいだ。得点を奪えず追い詰められる興南に対して、雰囲気は確実に前原に傾いていた。
 八回に先制された時も、「試合が動いたことで、うちの攻撃にも動きが出る」と逆に奮い立った。直後にスクイズで同点。九回は1死から仲嶺有一朗が投前ゴロで悪送球を誘い、さらに2死一塁から盗塁を成功させてサヨナラを演出した。
 バス5台で駆けつけ、三塁側スタンドをチームカラーの赤色に染めた応援団の力もあった。「ものすごい能力を持った子がいるわけじゃない。束になって支え合う力を養ってきた」と指揮官は胸を張る。その言葉通り、報道陣に囲まれたヒーローは1人ではなかった。2回戦は嘉手納が相手と、厳しい試合が続く。「どこが相手でも自分たちの野球をやる」。エースナンバーを背負う内間の言葉は力強かった。(大城周子)

<きのうの結果>
那覇国際 8―5 南部工
前原 2―1 興南
浦添 4―2 具志川
沖縄高専 8―7 中部農林
宜野座 2―1 那覇商
浦添工 9―2 名護商工
  (八回コールド)
石川 8―6 本部
宜野湾 3―2 小禄

<きょうの試合>
▽1回戦
【しんきん】9時
北谷―那覇
中部商―北山
球陽―名護
【セルスタ】9時
与勝―南部商
知念―向陽
昭薬付―南部農林
【宜野湾】9時
美里―首里
西原―美来工科
陽明―北中城