「不明土地」で新法検討 内閣府、国調査や所有権移行


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 内閣府が沖縄の戦後処理問題の一つである「所有者不明土地問題」の解決に向け、県の要請に基づき、特別法の制定も視野に検討を始めていることが22日までに分かった。

内閣府は取材に対し「制定する場合はどのような問題点が生じるのかなどの検討は行っている」と述べ、将来的な法整備の可能性を示唆した。
 所有者不明土地とは、沖縄戦で土地に関する資料が焼失し、所有権不明となっている土地のこと。内閣府の担当者は法整備の方針はまだ未定とした上で、「問題解決のために必要ならば今後検討を進めていくことになる」と話している。
 この問題では解決策を探ってきた県の検討委員会が2011年に(1)国が全筆調査を実施(2)調査後も所有者が見つからない土地は県や市町村に所有権を移行(3)所有者判明時には補償金を出す―などを柱にした特別法の制定を求める報告書を県に提出。以後、県は政府に法整備を要請している。
 政府は12年度から所有者不明土地の実態調査を進め、ことし5月には県、市町村と担当者レベルの対策会議の初会合を開き、現状と課題を議論した。
 初会合では特別法制定に向けた具体的な議論はなかったというが、内閣府の担当者は「今後の会議で浮かんでくる課題、論点は特別立法を検討する上でも活用できる」と説明している。
(外間愛也)