陽明がサヨナラ 夏の甲子園県大会第3日


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陽明-北中城 9回無死満塁でサヨナラ適時打を放つ陽明の下地魁斗=23日、宜野湾市立野球場(山城博明撮影)

 第96回全国高校野球選手権沖縄大会第3日は23日、コザしんきんスタジアムなどで1回戦9試合を行い、陽明は北中城に2―1で逆転サヨナラ勝ちした。中部商は2―1で北山に競り勝ち、与勝は4―3で南部商を下した。このほか首里、那覇、西原、知念、名護、昭薬付が初戦を突破した。第4日は28日、沖縄セルラースタジアム那覇などで1回戦残り5試合を行う。

◆エースの気迫 逆転口火
 エースの気迫が、12年ぶりの夏1勝を呼び込んだ。
 1点を追う八回、陽明の打席にはそれまで1人で投げ抜いてきた先発の具志堅光。疲労の影響で左脚に違和感を感じていた。だが「自分が点を取られた。取り返さないといけないという気持ちだった」。内野ゴロの当たりを、必死のヘッドスライディングで相手失策を誘いセーフにした。
 脚がつってベース上に倒れ込むエースの姿。ナインの闘志に火が付かないわけがない。さらにツキも味方に付けた。この回、2死二塁からのゴロを相手三塁と左翼が後逸。具志堅の代走の新垣航大が全力疾走で同点の本塁へ滑り込んだ。直後の守備では伊禮希一が3人でぴしゃりと封じる好救援で逆転ムードを高め、迎えた九回裏。セーフティーバントなどで無死満塁の絶好機を築き、最後は下地魁斗が2ストライクと追い込まれてから中堅へ鮮やかなサヨナラ打を運んだ。
 春の県大会以降、練習試合で連敗し、練習態度を見直したという。気の抜けたプレーがあれば選手同士で厳しく指摘し、常に実戦を意識。この日、終始相手が優位に立っていた試合をひっくり返した粘りは、日々の積み重ねの延長だった。
 2回戦で対する知念は、昨夏の初戦で敗れた因縁の相手。具志堅は「チャレンジャーのつもりで臨む」と言い、女房役の下地も「今日みたいな試合内容だと痛い目に合う」と緩みは一切なかった。(大城周子)

<きのうの結果>
首里 4―2 美里
那覇 7―0 北谷
 (七回コールド)
西原 5―0 美来工科
与勝 4―3 南部商
陽明 2―1 北中城
知念 8―1 向陽
 (七回コールド)
中部商 2―1 北山
名護 9―7 球陽
昭薬付 11―0 南部農林
 (五回コールド)

<28日の試合>
▽1回戦
【セルスタ】9時
開邦―コザ
沖縄工―浦添商
具志川商―真和志
【宜野湾】10時
首里東―普天間
北部農林―南風原