差別なくす発信力を 性的少数者の報道議論


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性的少数者をめぐる報道の現状や課題について報告する山城紀子さん(左から2人目)、知花亜美さん(同3人目)、村井規儀さん(右端)ら=6日、那覇市のジュンク堂書店那覇店

 性的少数者(LGBT)への理解を深めようと活動している「ピンクドット沖縄」とジュンク堂書店那覇店は6日、「新聞を変える、ひらく~LGBTをめぐる視点から」をテーマにしたトークイベントを同店で開き、約30人が聴講した。

フリージャーナリストの山城紀子さん、琉球新報の知花亜美記者、沖縄タイムスの村井規儀記者が登壇し、性の違いが仕事や生活上の壁にならない社会の実現に向けて、メディアが性の問題に向き合い、発信し続ける大切さを確認した。
 性的少数者をめぐる報道について、元新聞記者の山城さんは「メディアは公正公平で差別をしないという論は持っているが、(社の体質や記者の)本音との間には落差が大きい」と指摘した。誰もが無自覚に当事者を追い詰める可能性があるとし、「理解するのは難しいが(当事者と)何度もぶつかり、伝え合ってこそ理解につながる」と述べた。
 知花さんは「表現を間違えれば人権侵害になる」など取材者の思いを明かしつつ、「何かを変える力になる記事を書いていきたい」と話した。村井さんは「記者が多くの人に話を聞き、発信しないと理解は進まない」と語った。
 進行役を務めたピンクドット沖縄共同代表の砂川秀樹さんは「性は人が生きる上で根底となる重要な問題だ」と述べ、新聞社の継続的な取り組みに期待を寄せた。
 性的少数者への理解を広めるイベント「ピンクドット沖縄」が21日正午から午後4時まで、那覇市牧志のテンブス前広場で開かれる。問い合わせは(電話)098(866)1370まで。