日中友好 言葉から 沖縄市でシンポジウム


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言葉の学習を通じて日中友好の在り方を展望したシンポジウム=6日、沖縄市八重島、沖縄市民会館

 【沖縄】言語の側面から日中友好の在り方を提案するシンポジウム(中国教育文化協会主催)が6日、沖縄市八重島の沖縄市民会館で開かれた。沖縄国際大学の富川盛武教授をコーディネーターに、双方の語学習得を通して青少年らへ継ぐ交流を展望した。

 中国語教師として県内高校で教壇に立った経験がある中国の福建師範大学の洪晨暉准教授は「沖縄と福建は一衣帯水の関係。お互いを理解するため言葉を双方が勉強し交流することで青少年の友好の未来を築きたい」と話した。
 日本中国語検定協会の上野恵司理事長は「ピーク時に2万5千人いた検定試験の受験生も、ここ数年は減少傾向にあり、1万5千人ほど。尖閣諸島をめぐる日中関係も影響していると思うが、隣国の言葉を通じて理解を深めることは今後も変わらない」と話した。
 福建省内だけで26大学が日本語学科を設置していることを説明した福建師範大学の黄毅燕講師は「中国全体でも日本語の学習者が増えている。両国の言語理解者を励まし、相互理解を深めたい」と話した。
 日本文化経済学院(那覇市)の瀬底あけみさんは「国家間の関係も含め、断片的な情報だけで判断せず、自らが言語を身に付けるなどして、直接見聞きし判断することが大切」と情報に惑わされない言語習得の大切さを説いた。
 那覇市内で旭中国語教室を主宰する王冬艶さんは「会ったことがない人を嫌いという今の風潮は不自然。お互いしゃべって理解を進めたい」と指摘した。
英文へ→Symposium promoting friendly Japan-China relations through languages held in Okinawa