幸地(62キロ級)重量挙げ準V 南関東総体


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スナッチ3回目の試技で100キロを挙げる重量挙げ男子62キロ級の幸地芳(南部工)=2日、山梨県の山梨市総合体育館(平安太一撮影)

 【南関東総体取材班】全国高校総合体育大会「煌(きら)めく青春 南関東総体2014」は2日、東京、神奈川、千葉、山梨の各地で競技を行い、県勢は16競技に出場した。重量挙げは62キロ級の幸地芳(南部工)がトータル222キロ(スナッチ100、ジャーク122)で2位となり、今大会で県勢初の表彰台に上った。

同階級の知念勇斗(豊見城)はトータル216(92、124)で3位入賞した。バスケットボール男子は小禄が77―73で足立学園(東京)を破り、初戦を突破した。同女子の那覇は初戦で敗退した。陸上競技の男子やり投げは新垣篤哉(豊見城)が65メートル63で予選を2位で通過し、決勝に進んだが62メートル11の9位で入賞を逃した。剣道は女子興南が2敗し団体予選リーグを突破できなかった。フェンシング個人対抗フルーレは、男女4人とも予選トーナメントで敗退した。36年ぶりの出場となるサッカー男子の前原は3―0で青森山田に敗れた。柔道は男子団体で沖縄尚学が初戦敗退した。大会第3日の3日、県勢は14競技に出場する。

◆作戦的中 有終の笑顔 「一生忘れられない」
 重量挙げ男子62キロ級の幸地芳(南部工)が表彰台で両手を掲げる。無数のフラッシュを浴びて笑顔がはじけた。「一生忘れられない大会になった」。高校最後のインターハイで準優勝。「うれしいの一言です」。首から下げられたメダルが、きらきらと輝いた。
 負けられない相手が目の前にいた。同じ階級にエントリーした知念勇斗(豊見城)は互いに切磋琢磨(せっさたくま)してきたライバルだ。「知念が同じ階級だと聞いたときは正直嫌でした」と苦笑いする。ジャークが得意な知念に勝利するために、スナッチで引き離す作戦に出た。1回目で98キロを上げると「軽い感じがした」。2回目に落とした100キロも3回目に成功。知念の記録を8キロ上回り「いい感触だった」と納得の表情だ。
 ジャークは「知念に食らいつくことを考えた」。1回目に117キロを挙げると、2回目は自己ベストを上回る122キロをクリアした。3回目の127キロは失敗したが「120パーセントの力を出したのでスッキリしている」とすがすがしかった。
 高校から重量挙げを始めて「全国大会に行けるレベルではなかった」と振り返る。そこからどんどん力をつけて、最後の夏に表彰台に立った。「今日の試合のことは、これからの自慢話になりますよ」。青春の一ページに、かけがえのない思い出が刻まれた。(平安太一)