沖尚(なぎなた)気迫と一丸結実 南関東総体


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準決勝 沖縄尚学―釜石商工 代表戦でスネを決める沖縄尚学主将の喜田真帆(右)=4日、東京武道館

 【南関東総体取材班】全国高校総体「煌(きら)めく青春 南関東総体2014」は4日、東京、千葉、神奈川、山梨の4都県で行い、県勢は11競技に出場した。なぎなたの団体試合では沖縄尚学が栄冠を手にした。県勢の優勝は2010年の美ら島総体以来となる。

空手道は、男子個人組手の伊藤大賀(前原)が準決勝で釜口幸樹(大阪・浪速)に0―3で敗れたが、県勢として31年ぶりの入賞を果たした。ハンドボールの男子・興南は盤石の勝利で8強入りし、女子・浦添は3回戦で敗退した。男子バスケットボールは小禄が74―69でシードの尽誠学園(香川)に勝利して8強入りを果たした。男子バレーボールの西原は決勝トーナメント初戦の2回戦で佐賀学園と対戦して0―2で敗れた。レスリングは公開競技・女子56キロ級の屋比久すず(浦添工)が4強入りした。5日の県勢は相撲やボクシングなど11競技に出場する。

◆なぎなた/主将・喜田 流れ呼ぶ一撃
 準決勝の釜石商工(岩手)戦は全員が引き分け、代表戦にもつれ込んだ。初対戦でデータがなく、相手の弱点を見いだせずにいた。緊迫した試合展開の中、沖尚に勝利を呼び込んだのは主将の喜田真帆の強い意志と持ち前のチームワークだった。
 「自分が代表戦は行きたい。絶対取ってきます」。喜田は徳田礼監督に出場を志願。決して調子は良くなかった喜田だが、代表戦は沖尚が取り組んできた「考えるなぎなた」の真価が発揮される。
 序盤は喜田は攻め手を欠いた。「奥を狙っていこう」。終盤、仲間の声が耳に届いた。喜田はいったん、攻める姿勢を取り、相手が引いたところで、後ろ側のスネを一気に狙った。喜田は「ずっと練習してきた技だった。仲間となぎなたについて話し合ってきた結果が表れた」と振り返る。
 ヤマ場を越えたことで、決勝の佐賀東戦は選手らが最後まで攻めきる姿勢を存分に出し、終わってみれば3―1と圧勝した。
 個人で優勝した三浦里帆を擁する初戦の東海学園(愛知)戦を含め、今大会で沖尚は相手を研究して試合に臨んだ。時には深夜まで相手のビデオを見ることもあった。「逃げの試合をしていた」(徳田監督)という個人戦の敗退後、チームの雰囲気は悪かったが、選手らは互いに声を掛け合い、団体戦で立て直した。
 徳田監督は「主将がチームをまとめたことが大きい。練習をする中で、選手たちには責任感が出てきた」と頂点を極めた選手たちをたたえた。(池田哲平)