故郷沖縄から離れて幾歳月。年を取って行くに従い、思い出されるのは、過ぎ去った古里での出来事ばかりだ。楽しかったことや悲しかったこと、あるいは苦労したことなど懐かしくわき出る泉のごとく頭を駆け巡ってくる。
言語習慣の違う異国に来て、生活に慣れるまで苦労するのは当たり前、そしてようやく独り立ちして光をみいだし、それに向かって突き進んで行く。その間、充実した生活を楽しむのだ。そうして何となく人生を過ごしている間に老年を迎えることになり、はたと自分を見つめてくる。残り少なくなった人生をどうするかが悩みの種だ。
そこで考え出されたのが「アシテビチ会」だ。気のあった仲間、平均年齢69歳の17、18人のウチナーンチュ1世で構成。毎月第4金曜日の夜、ブエノスアイレス市の沖県連会館レストランに集まり、ウチナー料理などを味わいながら、話に花を咲かしている。
この集まりができたのは昨年度の7月ごろ。呼び掛け人は宜野座村出身の屋宜宣太郎さんだ。会の名称は、たまたま最初に集まったとき、足テビチを食べたことから名付けられた。これからの人生、楽しからずや、と皆満足のようだ。
(新垣善太郎、アルゼンチン通信員)
【島人の目】アシテビチの会
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琉球新報社
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