沖尚が初戦突破 作新学院に3―1 甲子園


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沖縄尚学―作新学院 14奪三振完投でチームを勝利に導いた沖尚のエース山城大智=17日、甲子園球場(普久原裕南撮影)

 【甲子園取材班】第96回全国高校野球選手権大会第7日は17日、兵庫県西宮市の甲子園球場で2回戦4試合を行い、2年連続7度目出場の沖縄尚学は2回戦で作新学院(栃木)を3―1で退け、昨年に続き初戦を突破した。沖尚は20日の第2試合(午前10時半開始予定)で、東東京代表の二松学舎大付と3回戦を戦う。

◆山城 14奪三振完投/成長した姿で躍動
 「春は悔しい負け方をした。成長した姿を見せるために戻って来た」。沖縄尚学の山城大智が、八回を除く毎回の14奪三振で3安打完投。しかも先頭打者は1度も出していない。球場を埋めた3万4千人の視線を一身に集め、躍動した。
 一回、2死から3番の朝山に直球をバックスクリーン右へ運ばれてあっさり先制された。だが、右腕の表情はほとんど変わらない。比嘉公也監督が「ベンチに戻って来た時に開き直ったような表情だった。二回以降は落ち着いていけるという確信はあった」と語る通り、ここからが奪三振ショーの始まりだった。140キロ台の直球に、その直球と同じような軌道から変化するツーシームやスライダー。内外角を目いっぱいに突いた。打者に応じて配球パターンを変え、走者がいれば間合いも工夫した。六回2死二塁のピンチで再び巡ってきた朝山との対決は「相手は2年生。直球を打たれたままではふがいない」と直球勝負でねじ伏せた。
 春の甲子園は準々決勝で打ち込まれた。反省を糧に一人一人の打者、一つ一つの配球にこだわり、格段に投球レベルを上げた。「琉球のライアン」「立ち上がりが課題」。注目されるほど周囲のざわめきも増す。「春と違う自分をもっと見せたい。全国制覇に到達するまで全力でやる」。マイペースな右腕の言葉は力強かった。(大城周子)

◆甲子園で最高の投球
 沖尚・比嘉公也監督の話 山城は甲子園で最高の投球をしたんじゃないかと思う。攻撃においては、走者が出てからもう一本が出せるような集中力を仕上げていきたい。八回(の好機)を3、4番打者で取れなかったのは痛かった。