命落とした先輩に祈り 東中生徒、第二護郷隊慰霊碑を初訪問


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第二護郷隊の慰霊碑に向かって黙とうする東中学校の生徒ら=8月29日、恩納村安富祖

 【北部】東村立東中学校の生徒が8月29日、恩納村安富祖の恩納岳の麓にある第二護郷隊の慰霊碑を初めて訪れた。東村からは、第二護郷隊として多くの少年兵が恩納岳に送りこまれ、戦死した。同校の生徒らは、郷土の先輩たちが命を落とした現場を見詰め、祈りをささげた。

 東中学校が毎年実施している平和学習の一環。今回は本紙企画「未来を伝える沖縄戦」で、同校の生徒が東村在住で第二護郷隊として召集された金城幸昭さん(85)の体験談の聞き取りをしたことをきっかけに訪問した。「よみたんガイド風の会」比嘉涼子さんの解説で読谷村のチビチリガマなども回りながら、慰霊碑を訪れた。
 生徒らは慰霊碑に献花し、黙とうした。比嘉さんのガイドで、激しい戦闘があった三角山や恩納岳を臨んだ。
 中3の比嘉柾貴君(14)は「自分たちと同じ年代の先輩が日本軍の時間稼ぎのために命を失ったと知ると悔しい」と話した。「未来を伝える沖縄戦」で金城さんの体験談を聞き取りした中3の我喜屋千聖さん(15)は「実際に来ると想像と違った。この場所であの戦闘があったとは思えない。今生きていることが幸せだと実感した」と話した。
 ガイドをした比嘉さんは「東村の子どもたちが実際にこの場所を訪れるのにはとても意味がある。命のバトンをつないでいってほしい」と話した。