牧港補給地区、知花一部移転 「黙認耕作地へ影響」沖縄市長が懸念


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 【沖縄】井上一徳沖縄防衛局長は12日、桑江朝千夫沖縄市長に対し、米軍牧港補給地区の一部施設を嘉手納弾薬庫知花地区へ移す基本計画の概要を説明した。倉庫群や車両整備場など計14棟の施設が移り、整備規模は約40ヘクタールになる。

移転が予定される知花地区南側にある黙認耕作地では、耕作者が立ち退きを迫られる。桑江市長は「慎重に対応を検討したい」と判断を保留した。
 会談は市役所で非公開で行われた。市によると、移転される施設は牧港補給地区にある食品や医療品、生活物資などの倉庫群、車両や機器解体の整備場。キャンプ瑞慶覧からもスクールバス80台など関連施設が移る。施設移転後は知花地区で基地従業員千人を抱える見通しという。
 桑江市長は会談の冒頭、「黙認耕作地への大きな影響が懸念される。市議会や地域住民の意見を聞き、慎重に対応を検討する」と伝えた。会合後、牧港の視察や住民説明会を通して判断する考えを示した。
 牧港地区は施設移転などを経て2025年度以降に全面返還される計画。在沖米軍は嘉手納弾薬庫の管理強化も検討しており、数年以内に黙認耕作地の立ち退きや工作物の撤去を迫られる可能性がある。

桑江朝千夫沖縄市長(右側)に米軍嘉手納弾薬庫知花地区への施設移転計画を説明する井上一徳沖縄防衛局長=12日、沖縄市役所
牧港補給地区の施設移転先