県衛生研究所がうるま市移転へ 健康管理センター新設


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移転後の県衛生環境研究所のイメージ図

 南城市大里にある県衛生環境研究所が老朽化による建て替えのため、うるま市兼箇段の旧園芸支場跡地に移転することが16日までに分かった。開所予定は2016年4月。移転先施設には「健康危機管理情報センター」を新たに設置し、研究所や県内保健所などに蓄積された健康被害事例や対応などの情報を一元化して解析に役立てるアーカイブ機能を充実させる。

 センター設置は県の21世紀ビジョンの目標に掲げられている。情報一元化で感染症や環境汚染などへ迅速に対応する体制を整える。将来的には大規模で原因不明の健康被害発生時に国内の研究者や専門家らが集まり、情報を分析して対策を検討する場として活用する構想もある。
 新施設は「県民に開かれた研究所」を目指して研究所の業務や研究成果を紹介する展示室を新たに設ける。毒物・劇物や個人情報の管理を徹底するためセキュリティーも強化する。
 研究所は建設から34年が経過。敷地が広く県内各地から検体を集めやすいことから、うるま市への移転が決まった。敷地面積は約1万4千平方メートル。施設は2階建てで、延べ床面積は5900平方メートル。建築費用は約33億5千万円。
 国吉広典所長は「健康危機管理情報センターの設置で健康被害の未然防止や早期の原因究明をすることで、県民被害を最小限に抑えたい」と述べた。