島マスさん通し街描く 「コザ物語」小中生らがミュージカル


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島マスさんを軸に1950年代のコザの街を描くコザ物語の公演=15日、沖縄市民会館

 【沖縄】「沖縄の福祉の母」と呼ばれた島マスさんをモデルに基地の街コザの歴史を描く市民ミュージカル「コザ物語」が15日、沖縄市民会館で開かれた。戦争で家族を失った子どもたちや女性、それを支えた島マスさんの姿を通して、苦難の中にあっても、たくましく生きる人間像を歌や踊りを通して描いた。

 物語は、基地建設で復興を遂げつつある1950年代のコザの街が舞台。私財を投じて児童保護施設や授産施設を設立した島マスさんを軸に展開する。
 出演は、市内小中学校から4月に募った児童生徒30人と一般成人ら。2011年度から始まった市民ミュージカルで、1時間40分の作品を通して苦労も幸福も分かち合う沖縄の言葉「チムグリサン(心が痛む)」を伝える。
 この日訪れた約1300人の観客は、歌やダンス、エイサーなどを通して描かれる、自らの地域の歴史を振り返った。
 出演の児童生徒たちは今年5月から25回の練習を重ねた。8月22日に市と兄弟都市の大阪・豊中市で先行公演された。