ベスト8そろう 県秋季高校野球第9日


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コザ―美里工 9回美里工2死一、三塁、久田真輝の三塁打で逆転のホームに突っ込む知花樹(中央)=23日、コザしんきんスタジアム(大城周子撮影)

 第64回県高校野球秋季大会第9日は23日、コザしんきんスタジアムなどで3回戦の残り4試合を行い、ベスト8が出そろった。

昨年覇者の美里工は九回2死から逆転し、3―2でコザを破った。中部商は第3シードの前原に3―2で競り勝ち、八重山商工は第2シードの嘉手納に7―1で快勝。宜野座は浦添商に2―0で完封勝ちした。準々決勝進出はそれぞれ美里工が3年連続8度目、中部商が3年ぶり15度目、八重山商工が2年連続5度目、宜野座が3年連続19度目。この日でシード勢は全て敗退し、県高野連によるとシード4校が3回戦までに姿を消したのは大会史上初という。準々決勝は27、28日に宜野湾市立野球場で行う。

◆美里工、土壇場の逆転劇/真っ向勝負、力で突破
 2点を追う美里工は九回、先頭打者を四球で出した後が続かず2死一塁。2連覇の夢はついえるかと思われたが、土壇場から連打で試合をひっくり返した。「野球は九回2死から」とはよく言ったもので、見事に実現してみせた。
 高江洲正弥が初球を左前に運んだのが反撃の合図だった。知花樹の右前打で1点を返し、さらにエース久田真輝が自らのバットで逆転の2点三塁打。ベンチは歓喜に沸き、生還した知花をもみくちゃにした。
 相手エースは140キロ台の威力ある直球で厳しくコースを突いてきた。神谷嘉宗監督は「小細工をしても球威に負ける。打ち崩すしかないと思っていた」と言い、高江洲は「勝負どころは直球でくる。引いたらだめだと思った」。九回の3安打は全て直球。真っ向から挑んだ力勝負を制した。先発した久田の働きも大きい。四回までに7個の四死球を与えたが、1イニングの失点を最少にしのいだ。「あまりにストライクが入らないので、守備に任せようと開き直った」と仲間を信頼しての完投だった。
 新人大会は地区で敗退。夏休みは試合よりも基本練習に費やし、毎朝のちゃんこ鍋で体もたくましくなった。「スーパースターはいなくてもみんなでつなげば勝てる」と知花。2年連続の春の甲子園切符を、チーム一丸で取りに行く。(大城周子)

<きのうの結果>
▽3回戦
八重山商工 7―1 嘉手納
美里工 3―2 コザ
宜野座 2―0 浦添商
中部商 3―2 前原

<27日の試合>
▽準々決勝
【宜野湾】10時
名護―糸満
具志川―首里

※注:高江洲の「高」は旧字体