首里、20年ぶり4強 県秋季高校野球第10日


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具志川―首里 7回を投げ1人の走者も許さない圧巻の投球を見せた首里のエース中真慶大=27日、宜野湾市立野球場(普久原裕南撮影)

 第64回県高校野球秋季大会第10日は27日、宜野湾市立野球場で準々決勝2試合を行った。糸満は四回に5点を挙げるなど投打にそつがなく、8―0の七回コールドゲームで名護を破り3年ぶり14度目のベスト4入り。首里は先発の中真慶大が1人の走者も許さない完璧な投球で具志川打線を封じ、7―0の七回コールド勝ちで20年ぶり11度目の準決勝進出を決めた。

28日は同球場で準々決勝残り2試合を行う。

◆首里・エース中真 圧巻“完全試合”
 秋風が吹き抜ける球場で、165センチの小柄な左腕が躍動した。首里の中真慶大が七回まで奪三振7、内野ゴロ6、フライ8で1人の走者も許さない“完全試合”を達成。コールドゲームのため参考記録となるが、チームを20年ぶりの4強進出へ導く快投に「最終回は(完全試合を)少し意識した」と照れ笑いした。
 延長十五回を制した2回戦を含め、4試合を1人で投げ抜いた。意外にもこの日は「全然駄目。腕も振れていないし制球も定まらなかった」と言う。ストライク先行を心掛け、直球主体で丁寧に投げ込んだことが功を奏した。わずか78球で試合を締め、「調子が良くても悪くてもチームが勝てればいい」とエースらしいたたずまいだった。打線も2試合連続のコールドでエースを援護。「具志川は乗せたら怖い相手」(福原修監督)と序盤から積極的に動いた。エンドランや盗塁で相手を揺さぶり、短打は一つでも先の塁を狙ってダイヤモンドを駆け回った。
 準決勝の相手は地力のある糸満で、厳しい試合が予想される。主将の佐久田英尚が「沖縄一のベンチワーク、チームワークが目標。一つになって勝ちにいきたい」と言えば福原監督も「攻めの姿勢を貫いて正面からぶつかっていきたい」。次は20年ぶりの決勝舞台を見据え、一歩も引く気はない。(大城周子)

<きのうの結果>
▽準々決勝
糸満 8―0 名護
(七回コールド)
首里 7―0 具志川
(七回コールド)

<きょうの試合>
▽準々決勝
【宜野湾】10時
八重山商工―美里工
中部商―宜野座