戦争愚かさ語り継ぐ 10・10空襲慰霊祭で遺族ら


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那覇市出身の戦没者の冥福を祈り、焼香する参列者ら=10日、那覇市若狭の若狭海浜公園内「なぐやけの碑」前

 米軍機の無差別攻撃で、那覇市の9割が焼失した10・10空襲から70年の節目を迎えた10日、那覇市では当時のことをしのぶ慰霊祭と「10・10空襲を風化させない市民の集い」が開かれた。

 那覇市若狭の若狭海浜公園内では第19回「なぐやけの碑」慰霊祭(主催・那覇市連合遺族会)が行われた。碑には10・10空襲をはじめ、那覇市出身の沖縄戦の戦没者約2900人の名簿が奉納されている。遺族ら約160人が参列した。
 那覇市連合遺族会の大嶺正光会長は「戦争を知らない世代に戦争の愚かさ、命の尊さ、平和の大切さを語り継ぎ、その方向の指針を示すのは私たちの責務である」と弔辞を述べた。
 おじとおばを亡くし毎年慰霊祭に参加しているという名幸芳生さん(78)=那覇市=は「せめて供養しないと申し訳ない」と話した。