陸上の第56回県中学校大会は18日、浦添市陸上競技場であり、共通種目(1~3年)は男子共通砲丸投げの手登根武魁(久松=宮古)が14メートル19をマークし、大会記録を7年ぶりに塗り替えて優勝した。同1500メートルでは島袋太佑(大浜=八重山)が4分14秒12の好記録で頂点に立ち、3000メートルとの2冠を飾った。
学年ごとの種目では、女子2年400メートルリレーで混合チームの八重山Aが予選で51秒73の大会新記録を樹立し、決勝でもトップだった。
◆こん身の最終投てき 手登根、全国で表彰台狙う
雑念を払うように軽く腕立て伏せをして臨んだ最終6投目。「絶対に県記録を出す」。男子共通砲丸投げの手登根武魁(久松)が押し出した砲丸は大会新記録となる14メートル19を記録、他の選手を大きく引き離した。狙った県中学記録には5センチ届かなかったものの公認記録では自己ベスト。最後に見せ場を作った覇者は会場からの拍手に安堵(あんど)の表情を浮かべた。
昨夏に競技を始めると一気に頭角を現し、周囲の期待を集めた。しかし今季は伸び悩み、県大会でも優勝から遠ざかった。課題は腕力に頼り、175センチ、136キロの体格を生かし切れていないことだった。「全身運動で瞬発力が付く」と宮古高のウエイトリフティング部の練習に参加。バーベルを持ってのスクワットなどで下半身強化に取り組み「土台が強くなった」と語る。
父の隼人さん(現平良中教諭)は女子ハンマー投げで活躍する本村夏鈴(多良間中-那覇西高-九州共立大)らの恩師。その指導を受け、手登根も力を伸ばしてきた。高校では重量挙げに転向するつもりといい、今月末に開幕するジュニアオリンピックが砲丸投げ最後の大会となる予定だ。昨年は「スタジアムの雰囲気にのまれた」と力を発揮できなかった全国舞台。雪辱と集大成の思いを込め、表彰台を狙う。(大城周子)
◆好タイムの3連覇喜ぶ 島袋、ベスト更新
男子共通1500メートルは島袋太佑(大浜)が1995年に樹立された大会記録に0秒12と迫る好タイムで優勝した。1、2年時も学年別の1500メートルを制しており、「3連覇できてうれしい」と喜んだ。
序盤は集団の中でチャンスをうかがい、中盤から先頭に立った。そしてラスト1周。「逃げようと思った」と切れのあるスパートを仕掛け、ライバルたちを引き離した。
優勝記録の4分14秒12は自己ベストも大幅に更新し、駅伝シーズンへ向けて弾みとなる。全国大会出場が懸かる11月の県中学駅伝へ「2連覇を目指して頑張りたい」と意気込んだ。
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