【電子号外】小渕経産相が辞任 政治資金問題で引責 安倍政権に打撃


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 小渕優子経済産業相(40)=衆院群馬5区=は20日、関連する政治団体が不適切に政治資金を支出したとの疑いが指摘された問題の責任を取って辞任した。同日午前、官邸で安倍晋三首相に辞表を提出し、受理された。閣僚辞任は第2次安倍内閣で初めて。目玉の女性閣僚として9月3日の内閣改造で小渕氏を起用した安倍政権は打撃を受け、政権運営が厳しさを増すのは確実だ。野党側は首相の任命責任を追及する構え。小渕氏は在任期間わずか約1カ月半での交代となる。

 これに伴い首相は経産相の臨時代理に高市早苗総務相を充てる方向で調整に入った。
 小渕氏の地元群馬県にある政治団体「小渕優子後援会」と「自民党群馬県ふるさと振興支部」は支援者向けに2010年と11年に東京・明治座で観劇会を開催。両団体の会費収入計約742万円に対し、支出が計約3384万円に上ることが政治資金収支報告書から判明していた。差額の約2642万円を政治団体が負担した形になり、有権者への利益供与を禁じた公選法に抵触する恐れが出ていた。
 小渕氏は16日の参院経済産業委員会で、事実なら違法性があるとの認識を示し、調査を急ぐ考えを表明していた。野党の追及をかわして職務を継続することは困難と判断したとみられる。
 小渕氏は、00年に急死した父親の小渕恵三元首相の地盤を受け継ぎ初当選。9月の内閣改造で2度目の入閣をした。
(共同通信)