銘苅淳のハンドボール魂 fromハンガリー(4)


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ハンガリーのトップリーグで試合に臨む銘苅淳

<アピール>期待を超える努力
 長崎国体のハンドボール少年男子で沖縄が優勝しました。高校生の全国大会で3冠。興南高校の選手で構成されたチームは県大会や九州大会も含め、一度も負けずに1年を戦い通したことになります。本当に素晴らしいです。興南高校のハンドボールは全国に衝撃を与えました。さらに高みを目指し、ぜひ日本だけでなく世界での活躍を視野に頑張ってほしいものです。

 僕の方はリーグも順調に進み、現在は9試合を消化しました。チームの成績は11チーム中10位と苦しく、僕自身もまだベストといえる状態ではありませんが、56点を挙げて得点ランキングでは暫定2位です。サッカーでいうPKのような7メートルスローを任されており、その得点も多いです。日本リーグにいたころにはタイトルを取ったことのある7メートルスローですが、実はハンガリーに来てからは打つ機会が少なく、昨季は1本も打っていません。しかし、今季は監督が必ず僕を指名します。これには裏話があります。練習時に「I was japanese 7m king(僕は日本の7メートル王だったんだ)」ってアピールしたんです。与えられた役割をこなすことは大事ですが、こちらでは自分をアピールすることも大事です。僕はいつも、監督の期待に応えるだけでなく、その期待を超えたいと思っています。「今日、大けがをしてプレーできなくなったらどうしよう」と不安になることもあります。そんな時は、もし今日で現役を終えても後悔しない取り組みをしようと考えます。できることは「できる」とアピールし、期待を超える働きをするために日々精進したいと思っています。
 沖縄の人は特に自分をアピールすることが苦手だと思います。でも、自分の可能性を広げるチャンスは自分で手繰り寄せたいものです。そして、そのアピールがうそにならないための準備も大事です。日々準備を積み重ねていきたいですね。(隔週火曜掲載。次回は11月11日)
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