照屋さん母と二人三脚 夢の大舞台へ 全国障害者スポーツ大会


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「大会を楽しみにしている」と話す照屋顯乃さん(右)と母の典子さん=30日、那覇空港

 1日に長崎県で開幕する「第14回全国障害者スポーツ大会」(長崎がんばらんば大会)に、水泳で初出場する照屋顯乃(あきの)さん(27)=浦添市。水泳のインストラクターで、顯乃さんを支え続けた母の典子さん(53)との二人三脚でつかんだ大舞台。50メートル自由形と50メートル背泳ぎに出場する顯乃さんは「メダルが取りたい。1位がいいな」と意気込んでいる。

 知的と視覚の重複障がいがある顯乃さんは、生後5カ月ごろからプールに通い始めた。ビート板や浮具をつけて水に慣れ、楽しむことから始めた。典子さんの指導を受けながら自らのペースで練習を続け、現在では、クロール、平泳ぎ、バタフライ、背泳ぎと各種目をこなすまでになった。「陸上にいるよりも水の中にいるのが好き。いつも楽しみながら練習している」と笑顔を見せる。
 現在、NPO法人「きずなのえん」でパンの販売などに携わる顯乃さん。仕事後、典子さんを含め多くの指導者からのコーチを受け、週に6日はプールで練習に励む。全国大会出場は、もともと典子さんの目標だったが、練習を続けているうちに「いつの間にか娘と2人の目標になっていた」(典子さん)という。
 初めての大舞台には、父修二さん(61)と、県外に住む兄太司さん(28)と妹ゆめ子さん(20)も応援に駆け付ける。顯乃さんは「家族みんなで応援に来てくれることはうれしい」と話す。
 典子さんは「ここまでくるのに時間はかかったけど、沖縄の代表として自分の実力を出し切ってほしい」と期待を寄せる。照屋さんは「私を産んでくれて、27年間そばで応援してくれてありがとう」といつもそばで見守る母に活躍を誓った。(屋嘉部長将)