沖縄工、北山が頂点 県高校駅伝大会


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 駅伝の男子第62回・女子第32回県高校大会は31日、今帰仁村総合運動公園を発着する男子7区間42・195キロ、女子5区間21・0975キロのコースで行われた。男子は沖縄工が昨年優勝のコザを抑え、2時間19分16秒で10年ぶり8度目の頂点に立った。女子は北山が3区から首位を守る盤石の走りを見せて、1時間19分53秒で3年連続3度目の優勝を飾った。

沖縄工と北山は12月21日に京都府で行われる全国大会の出場権を得た。男女の上位3チームは11月16日に佐賀県で行われる九州大会に派遣される。

◆OBの支えを力に/沖縄工
 卒業生から選手へつながれたたすきが、栄光のゴールにたどり着いた。10年ぶりの頂点に立った沖縄工の選手たちは口をそろえて言う。「OBの支えがあったから優勝できた」。多くの人たちに背中を押され、勝利をつかみ取った。
 1区の大石大輔がトップ集団に食らいついて3位につけると、2区の瑞慶覧裕介が2位に順位を上げた。体調悪化の影響で5カ月ほど練習ができず、1週間前に復帰した瑞慶覧だが「チームに貢献したかった」と意地を見せた。「トップに行く自信があった」と言う3区の高良和希は徐々に距離を詰め、首位の選手を抜き去った。
 昨年は2位の結果を残したが、優勝したコザとは4分以上の差があった。主将の宮城郁実は「あの日をきっかけに、チームを一から見直した」と言う。夏場に厳しい練習をこなし、ミーティングを重ねることで団結力を強めた。さらにはOBがコーチングや差し入れなどで選手をバックアップ。県外大会に出場するときにもOBの支援があり、宮城は「感謝の気持ちを忘れずに走った」と強調する。
 かつては5連覇を成し遂げた沖縄工が手にした久しぶりの栄冠に、1区の大石は「やっと復活できた」と充実した表情を見せた。全国大会に向けて、「きょうよりも躍進して県記録を出す」と決意した。
(平安太一)

◆持ち味発揮 圧巻の走り/北山
 ゴールを駆け抜ける北山のアンカー・嶋袋由惟は右手を掲げ、3連覇を達成した喜びを爆発させた。3区で首位に躍り出ると、最後まで後続を寄せ付けることはなかった。終わってみると2位に1分以上の差をつける圧巻の勝利。大城昭子監督は「みんなが自分の力を発揮してくれた」と納得の表情で話した。
 部員6人のうち4人は昨年の優勝メンバーだ。大城監督は「絶対的なエースはいないけど、経験があるから平常心で走れる」と強みを説明する。1区の仲井真エンドリアみどりが「調子が良かったので思いっきり走った」と4位でたすきをつなぐと、2区の宮城亜美がトップに約20秒差に迫る2位につけた。「自分のリズムで押していけば残りのメンバーが楽に走れると思った」と宮城は振り返る。
 3区の長山夢芽はけがから復帰直後のレースになったが、「徐々に(距離を)詰めようと気長に考えながら走った」。けがの影響を感じさせない快走で、トップでたすきをつないだ。
 都大路への挑戦は3年連続になる。これまでのレースを経験した仲井真と宮城は「県外ではまだ結果を出せていない」と言う。「最後は笑顔で終わりたい」と仲井真は力強く宣言し、宮城は「3年間で一番いいタイムを出す」と目標を掲げた。
(平安太一)

3区で首位へと駆け上がった沖縄工の高良和希(右)=31日、今帰仁城址入り口付近(仲本文子撮影)
首位でたすきをつなぐ北山の3区・長山夢芽(左)と4区の渡具知莉乃=31日、今帰仁村の今泊ポンプ場前(仲本文子撮影)