佐久本、ソフトBコーチに 優勝へ全身全霊


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ソフトバンクの3軍コーチ就任が決まり、決意などを語る佐久本昌広=6日、那覇市天久の琉球新報社

 プロ野球の福岡ダイエーホークス(現ソフトバンク)などで活躍した左腕の佐久本昌広がこのほど、ソフトバンクの3軍投手コーチに就任することが決まった。6日に那覇市天久の琉球新報社を訪れた佐久本は「球団の仕組みをしっかりと理解して、その中で自分の色を出していきたい」決意を述べた。

 ソフトバンクの新監督に就任した工藤公康氏は中学時代から憧れていた存在だった。コーチ就任の打診があったときは「すごく光栄でうれしかった」と笑顔を見せた。ダイエー時代は工藤氏とともにプレーし、1999年には日本一も経験した。横浜時代も一緒になり、「野球論も話し合ったし、時間があるときにはいつも声を掛けてくれた」と親交も深い。
 コーチとしては技術にとどまらず、精神面などさまざまな部分での育成が求められる。「気遣いや思いやりの心がないとチームプレーはできない。当たり前のことができる準備力も大切だ」と強調する。一方で「選手は悩むことも多いはずだ。それをいち早く拾って立ち直るきっかけを与えたい」と心配りも忘れない。
 ソフトバンクには県出身の東浜巨や嘉弥真新也が在籍し、来季は島袋洋奨が入団する予定だ。3軍コーチという立場上、「僕のところには来てほしくないですね」と3投手が1軍のマウンドで活躍することを願っている。それでも同じ球団で戦う仲間として「会ったら沖縄の話をしたい。質問されたときにちゃんと答えられる兄貴のような存在になれたら」と話す。
 優勝チームに加入することに「プレッシャーはもちろんある」と引き締まった表情を見せる。「工藤さんから呼んでもらった以上は、チームが進む方向に合わせて自分の引き出しをはめていきたい」。全身全霊でチームに尽くす思いは強い。(平安太一)
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 さくもと・まさひろ 1974年7月15日生まれ、読谷村出身。古堅中、久留米工業高、大和銀行を経て1995年にドラフト4位で福岡ダイエーホークス(現ソフトバンク)に入団。1999年の日本一に貢献した。阪神、横浜を経て現役を退き、現在は沖縄ダイケン(浦添市)に勤務する。プロでの通算成績は19勝24敗4セーブ。左投げ、左打ち。