コザ宿敵撃破 花園へ 全国高校ラグビー予選


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決勝・名護―コザ 後半2分、トライを決めるコザのCTB松井陸人=7日、県総合運動公園蹴球場(花城太撮影)

 ラグビーの第94回全国高校大会県予選(花園予選)は7日、県総合運動公園蹴球場で決勝があり、コザが21―7で名護を下し、2年ぶり13度目の花園切符を獲得した。全国大会は12月27日、大阪の近鉄花園ラグビー場で開幕する。

コザは前半、HO新垣太世とFB石川大夢のトライにCTB松井陸人がゴールキックを決めて14―0と大きくリード。後半も名護の反撃を1トライ1ゴールに抑えた。

◆闘志全開 前半で優位
 闘志全開で臨んだコザが花園切符をつかみ取った。新人大会での勝利後、県総体と名護市長杯で王座を譲った相手に雪辱。「ミスのない、いいゲームだった」。當眞豊監督も、喜びを隠せない様子で目を細めた。
 前半の“貯金”が生きた。9分。密集で連続攻撃を仕掛け、HO新垣太世が中央に飛び込んでトライを決めたのが合図だった。24分にも密集から細かく展開してFB石川大夢が左中間にトライ。CTB松井陸人が連続となるゴールキックを決め14―0と突き放した。
 外への展開を得意とする名護に対して、体格で勝るFWのボール保持力、バックスの防御や展開が随所で光った。「接点をどう攻略するか、だった」と當眞監督。CTB桑江淳太郎は「動きを予測して自分たちのスピードで止めた」と反撃をしのいだ要因を語った。
 これまではパスミスや連係ミスで流れを悪くするのが敗戦パターンだった。「いちかばちかのパスはしない」「味方の声を信用して前進する」。徹底した練習で強みを磨いた。主将の島千尋は「自分たちのラグビーは間違っていなかった。全国でも通用すると思う」と胸を張った。
 桑江とPR當眞琢が高校日本代表候補に選出されるなど総合力が高いチーム。名護が県勢最高に並ぶ16強入りした昨年に続く躍進をと、周囲の期待も大きい。父でもある指揮官と集大成の舞台に挑む當眞は「県の代表として自分たちも伝統を作りたい」。沖縄の誇りを懸け、師走の花園へ乗り込む。(大城周子)