県新税、導入先送り 消費増税受け


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 県が、2010年度から検討してきた新税導入について判断を留保している。観光客などを対象にした「入域税」、レンタカー利用者に課す「レンタカー税」、宿泊施設利用者の「宿泊税」の3税を検討してきたが、4月に消費税が増税されたことなどから早期の実施は難しいと判断している。

 新税について県の小橋川健二総務部長は10月の県議会総務企画委員会で、専門家委員会の意見を踏まえて3月に最終報告を取りまとめたと説明したが、「消費税増税や一括交付金の導入などの環境変化があり、直ちに導入するのは厳しい」と答弁した。その上で引き続き導入の検討を続ける考えを示した。
 新税に関して県は10年に部長級で構成する「法定外目的税制度協議会」を設置し、下部機関の作業部会で約25回の検討会議を重ねてきた。
 最終報告は入域税について「伊是名村などが導入しており、二重課税になる恐れがある」と報告。レンタカー税は「徴税経費との関係で費用対効果に問題がある」とした。宿泊税は「制度設計上問題がなく、税収の使途としても適当」としたが、専門家から「観光産業に与える影響を十分に考慮して判断する必要がある」との意見が付いた。
 新税に関し10月の総務企画委では「消費税10%も検討されている。導入しにくいとの環境が大きく変化するのは期待できない」(自民・翁長政俊氏)との質問があったのに対し、小橋川部長は「多様化する行政需要に対応するため新たな税財源は必要だ。3税を含め新税の検討を続けたい」と答えた。
 県は検討を始めた当初、早ければ12年度にも新税を導入したい考えを示していたが、現在は「検討を継続する」と慎重姿勢で、導入は当面先送りされそうだ。(外間愛也)