銘苅淳のハンドボール魂 fromハンガリー(5)


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<食事>考えて選び栄養補給
 今回は食事について考えてみたいと思います。
 成長期は子どもたちが心身ともに大きくなるチャンスです。肉や魚、卵などに代表されるタンパク質の摂取量増加に伴い、日本人の体も形態的に大きくなっています。身長を伸ばすためにはカルシウムも大事ですが、タンパク質を取り入れることが重要なのです。

また、おなかがすいたと感じる時間が長いと発育によくないし、運動のパフォーマンスに影響したりイライラしたりもします。空腹を解消するには炭水化物も大切です。最近は低糖質食がはやっていますが、身長を伸ばす最大のチャンスを迎えている成長期の子どもたちには、そのチャンスを生かしてほしいものですね。
 海外では食文化の違いに戸惑うものですが、僕はハンガリーの食事が口に合っています。ただ日本に比べて野菜が少なく脂質が多い傾向にあり、きちんと考え選んで食事をしないと良いコンディションは保てません。「どんな目的で何を食べるのか」がスポーツをする上で大事です。中高生はそこまで徹底するのは難しいと思いますが、例えばコンビニで「お菓子とジュース」を選ぶのではなく、おでんやおにぎりなど少しでも体のためになるものを考えて選びたいですね。
 「食事」という言葉は「人を良くする事」と書きます。何を食べるかと同じように、誰と食べるかも大事です。一人で漫画を読みながらカップラーメンをすするよりも、家族でスポーツの話でもしながら旬の食材をいただく。その方が心と体の栄養補給ができますよね。おいしいものを好きな人と食べて不機嫌な人はいません。日々食事の用意をしている保護者の苦労は計り知れませんが、食事の力でより楽しくスポーツに親しむことができると思います。僕は幼稚園から高校まで皆勤でした。母の作ってくれたバランスの取れた食事のサポートがあったのは間違いありません。
 深まる秋。おいしいものがたくさんある今「食事」を大事にしたいですね。(隔週火曜掲載。次回は11月25日)
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自分で作る普段の食事。チキン、煮込んだ野菜、サラダなど炭水化物をポイントにおいてバランスを考える
遠征の際に出されたランチ。脂質が多くバランスがいいとは言いがたい