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サッカーの第93回全国高校選手権大会県大会は15日、西原町民陸上競技場で決勝を行った。試合は3―3のまま延長戦でも決着が付かずPK戦の末、前原が西原を下し、35年ぶり2度目の頂点に立った。
前原は1月の県新人大会、6月の県高校総体でも優勝しており、県高校サッカーの主要3タイトルを制する“3冠”を達成した。
前原は埼玉スタジアムなどで行われる全国大会(12月30日~1月12日)に県代表として派遣される。
◆死闘展開3冠達成/チーム信じ続け
全国切符を懸けた前原と西原の死闘はPK戦にもつれ込んだ。前原6人目のキッカー・DF祖堅拓耶がゴール左下にシュートを決めると、前原イレブンは駆け寄って喜びを爆発させた。先行し、逆転され、ひっくり返し、また追い付かれる。苦しい展開にもうつむくことなく、前だけを見続けた。主将のFW田里駿は「耐えれば必ず勝てると思っていた」と笑顔を見せた。
前原は前半15分、祖堅が右足で先制。同27分、セットプレーから西原に追い付かれると、その10分後には逆転を許す。後半に田里、途中出場のFW上間夕輝の得点で再び先行。しかしまた追い付かれた。
互いにチャンスをつくりながら、ものにできない張り詰めた展開に、足をつる選手が相次いだ。延長に入ると、運動量が落ちて攻め込まれる場面もあった。それでも「我慢比べだ」「チームを信じろ」と最後まで声を掛け合い、攻守に粘りを見せた。
PKでは西原1人目を前原のGK新城隆矢が防いだ。「PK阻止はあまり得意じゃない」という新城。「根拠はないけど、勘で」左に山を張ると、その勘が的中。流れを前原に引き寄せた。
夏の全国総体は初戦で強豪青森山田と対戦し、0―3で敗れた。フィジカルの差を痛感させられたが「自分たちのパスサッカーが通じる時間帯もあった」と手応えも感じた。和仁屋恒輝監督は「(県内)3冠は達成できた。次は全国で勝つことが目標だ」と見据えた。(荒井良平)