FC琉球、金沢V許す サッカーJ3第32節


社会
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ドリブルで攻め上がるFC琉球のMF藤澤典隆=16日、沖縄市陸上競技場(田盛良一撮影)

 サッカーJ3のFC琉球は16日、ツエーゲン金沢と沖縄市陸上競技場でホーム最終戦となる第32節を行い、0―1で敗れた。勝ち点を72に伸ばした金沢は1試合を残し、リーグ初年度の優勝を決めた。

来季はJ2に昇格する。琉球は8勝10分け14敗で勝ち点34。順位は7位のままだった。琉球は序盤からパスをつないで主導権を握ったが、金沢の堅守を崩せなかった。後半は攻勢に出た金沢に対して守備が後手に回った。21分にサイドからループシュートを決められ、そのまま逃げ切られた。次節は福島ユナイテッドと23日午後1時から、福島県のとうほう・みんなのスタジアムで今季最終戦を戦う。

金沢(22勝6分け4敗)(72)
1―0(0―0,1―0)
琉球(8勝10分け14敗)(34)
▽得点者【金】阿渡

 【評】琉球は序盤、守りを固める金沢に対し、攻勢に出る。MF藤澤、小幡らが細かなパスをつないでサイドを崩しにかかるがゴールを割ることはできない。後半はロングパスで前のスペースを突く金沢に主導権を握られた。後半21分、サイドからループシュートを決められ、そのまま逃げ切りを許した。(荒井良平)

◆前向きに頑張る
 薩川了洋監督(FC琉球)の話 (優勝した)金沢との差を少しずつでも埋めていかないといけない。チームがもう一つ、二つ成長しないとJ2という舞台に立てないと勉強させられた1年だった。サポーターが満足いく結果ではなかったと思うが、来季に向けて前向きに頑張りたい。

◆昇格ほっとした
 森下仁之監督(ツエーゲン金沢)の話 ことし1年やってきたことを象徴するゲーム内容だった。しっかり守備をして粘り強く戦い、決定機をものにした。いろいろな人の力を借りて、クラブの目標である昇格を達成できてうれしいというか、ほっとした。

◆決定力 明暗分ける
 シュート数は互いに6本。内容では決して引けを取らなかったが、それでも負けた。FC琉球はホーム最終戦でツエーゲン金沢に敗れ、目の前でリーグ優勝を決められた。少ないチャンスをものにして逃げ切った金沢と、決め切れなかった琉球。薩川了洋監督は「優勝できるチームとできないチームの差を感じた」とかみしめた。
 シーズンを通じて得点力不足に悩まされた琉球。この試合でも引いて守る金沢に対し、ボールを保持しながらも攻めあぐねる場面が続いた。しかし2列目のMF藤澤典隆、小幡純平、青木翔大が相手のサイドを起点に細かなパスをつなぎ、好機をつくった。前半9分には藤澤が小幡との連係からミドルシュートを放ち、相手ゴールを脅かした。
 引いた相手をどう崩し、どう点を取るか。今季、取り組み続けたテーマで成長は見せた。ただ32試合で20失点とリーグ一を誇る金沢の堅守を崩すまでには至っていないのが現状だ。藤澤は「(前半の)得点のにおいがしていた場面で点を取れなかったことが全てだ」と悔しがった。
 薩川監督は上位陣との差を認めつつも「相手が(守備に)人数をかけてきた中でも崩せていた」とパスサッカーの浸透に手応えを感じている様子。「成績は良くなかったけど、次につながる1年にできた」と残り1試合に迫った今季を総括した。
(荒井良平)