嘉手納29年ぶり栄冠、沖尚に快勝 県高校野球1年生大会


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決勝・嘉手納―沖縄尚学 要所を締める粘投で3失点完投した嘉手納の仲地玖礼=23日、嘉手納町野球場(大城周子撮影)

 高校野球の第39回県1年生中央大会最終日は23日、嘉手納町野球場で決勝を行い、嘉手納が7―3で沖縄尚学に快勝、29年ぶり2度目の頂点に立った。
 嘉手納は三回に同点に追い付くと四回は打者一巡の猛攻で一挙5点を奪って突き放した。

 先発の仲地玖礼(くおれ)は13安打を浴びたが要所を締めて3失点完投した。

◆嘉手納、勝負どころで集中力 楽しみな冬場の成長
 嘉手納が投打の勝負どころで集中力を見せ、実に29年ぶりの栄冠を手にした。2点を追う三回は相手失策や四球を絡めて同点とし、四回は打者一巡の猛攻で5得点。先発の仲地玖礼は初回を除いて毎回走者を背負いながらも、粘りの投球で3失点にしのいだ。
 序盤は沖尚ペースだった。仲地が三回にソロ本塁打を許すなど安定せず、打線も甘い球を見逃して難しい低めの変化球に手を出した。「低めは捨てて(カウントを)取りに来る球を狙おう」。意識の再徹底が暗雲を振り払った。四回に駄目押しの7点目を呼び込む2点適時打を放った比嘉大介は「直球一本に絞って高めに来た球をフルスイングした」。味方の援護を受けた仲地も「走者を出してもホームにかえさなければいい」と、落差のある変化球を効果的に使って反撃を許さなかった。
 仲地を筆頭に、9~10月にあった県秋季大会の先発メンバーおよそ半数が1年生だ。第2シードとして臨んだ秋は守備の乱れから流れを逸して3回戦敗退。今大会は初戦から準決勝まで全て1点差を制する粘り強さを見せ、大蔵宗元監督は「緊張感を味わいながら試合をして結果を出した。この経験を機に、目の色を変えて冬場に臨んでほしい」と期待する。主将を務めた大石哲汰は「レギュラー争いも厳しくしていきたい」とレベルアップを誓った。(大城周子)