組踊に興味持って 新城唯子が主演「スイミー」


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「組踊版スイミー」でスルル小を演じる新城唯子=11月29日、那覇市の琉球新報社

 国立劇場おきなわの特別公演「組踊版スイミー」(脚本・演出 嘉数道彦、振り付け 阿嘉修、音楽 仲村逸夫)が6~9日、浦添市の同劇場で開催される。物語の中心となるスルル小を演じるのは県立芸大大学院2年の新城唯子だ。「スイミー」を通して「組踊に興味を持つきっかけをつくりたい」と意気込む。

 7歳から母の新城園美(親泊流桜羽会会主)に舞踊を師事した。芸大に進学するまで組踊はほとんど知らなかったが、学部2年のときにスルル小役を任された。「組踊はやればやるほど難しい」「声が出ず泣くこともあった」と話すが、のめり込んでいった。古典組踊は世話物が好きだ。「沖縄の女性の強さが描かれているのがすごい」。来年1月の研究発表では「貞孝婦人」を演じる。
 「スイミー」はスルル小が仲間の助けを得てジンベエザメに敵討ちを挑む物語だ。「スルル小は弱々しくてお兄さん、お姉さんに助けられながら成長していく。先輩に助けられている自分とリンクする」。3月の公演では入場券が完売し、好評を博した。今回は新たにウミガメ大主(宇座仁一)、ホタルイカ(喜納彩華)、ドジョウ(上原崇弘)が登場する。
 琉球芸能に縁のなかった友人たちも「スイミー」は「楽しかった」と言ってくれたという。いつか地域の組踊が盛んな出身地・名護市でも上演したいと考えている。「子どもたちが見て、シマの組踊にも興味を持ってもらえるといい」
 開演は6日午後7時、7日午後2時、8日午後2時、9日午後2時と午後7時。一般2千円、高校生以下千円。特設ホームページもある。問い合わせは国立劇場おきなわ(電話)098(871)3350。