「さんかくまー」舞台に 辺土名大通り会が初の祭り開催


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かつての「さんかくまー」があった場所の舞台を囲む来場者ら=11月30日、国頭村辺土名

 【国頭】国頭村の辺土名大通り会(宮里芳登会長)は11月30日、歩行者天国にした通りで初となる辺土名大通り祭りを開いた。かつて「さんかくまー」と呼ばれた場所に舞台を設置。イルミネーション点灯式もあり、淡い明かりが来場者の笑顔を照らした。

 沖縄戦後にぎわっていた通りに活気を取り戻そうと通り会はことし4月に設立された。花いっぱい運動や提灯祭りなどを開き、結束を強めてきた。11月には第1号の通り会通信「さんかくまー」を発行した。
 さんかくまーはモクマオウの木を囲んだ石積みがあった場所で、地元住民が集いユンタクしていたという。宮里会長はさんかくまーに思いを巡らせながら「イルミネーションは12月で消えるが、皆さんの心にはずっとつけていてほしい」と通りの振興を願った。
 祭りの舞台では民謡や吹奏楽、ヒップホップダンスなど多彩な演目を展開。通りでは各店舗の出店、辺土名の今昔写真展などがあり、地元住民がテーブルなどを出して、ゆったりとくつろぎながら初めての祭りを楽しんでいた。
 写真展で段々畑のある航空写真を見ていた知花實さん(85)=同村辺土名=は「昔は肥料担いで登って、イモや野菜を掘って下りてきたよ」と懐かしんだ。