仲井真弘多知事は9日、2期8年の任期満了に当たり県庁で退任の記者会見を開いた。米軍普天間飛行場の県外移設を公約に掲げながら、普天間の辺野古移設に向けた政府の埋め立て申請を昨年末に承認したことについては、「法令にのっとった処理で誤っていない。基準に適合していれば了(りょう)とするのは当然のことだ」と述べ、承認は事務的な手続きだったと重ねて訴えた。
一方、辺野古埋め立ての工法変更を退任4日前の5日に承認したことについては「残り4日で、という言葉の意味が理解不能だ。今日の夜中の12時まで私が知事で、あらゆる責任は負っている」と主張した。
会見の冒頭、「多くの県民に幅広く、理解、協力、支援を頂いたことに心から感謝する」と述べた。
県庁には前日に続き、仲井真氏に抗議する市民らが詰め掛けた。県職員や警察官が1階県民ホールで通行規制を行い、ほとんどの出入り口を封鎖。来庁者用のエレベーター8機のうち7機を停止させるなど、厳しい警備体制が敷かれた。
仲井真知事は高良倉吉、川上好久両副知事に退職辞令を交付。記者会見に臨んだ後、離任式に出席した。
県民ホールで予定されていた離任式は知事応接室に変更され、仲井真知事は午前11時すぎ、多くの職員の拍手と市民らの怒号が飛び交う中、立ち並んだ職員らの間を通り、正面玄関から退庁した。