西田(男子せき損)3年ぶり戴冠 ぎのわん車いすマラソン


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序盤から先頭でレースを引っ張る西田宗城(左)=14日、宜野湾海浜公園歓会門前

 【宜野湾】「全労済カップ第26回ぎのわん車いすマラソン大会」(主催・同実行委員会、共催・宜野湾市、市教育委員会、市社会福祉協議会、琉球新報社、特別協賛・全労済県本部)が14日、宜野湾海浜公園を発着点に開かれ、ハーフ(21.0975キロ)脊髄損傷(せき損)の部は西田宗城(大阪府)が46分15秒で3年ぶりの栄冠を勝ち取った。

2位は昨年王者の渡辺勝(福岡県)だった。女子は山入端依子(沖縄市)が5年ぶりの栄冠に輝いた。ハーフけい髄損傷(けい損)の部は野田昭和(鳥取県)が53分17秒で2年連続の優勝。県勢の上与那原寛和(沖縄市)は2位だった。3.5キロ手動の部(競技)は大城勇太が13分5秒と昨年より1分40秒以上タイムを縮め、3連覇を果たした。

◆レースけん引 寄せ付けず
 序盤から先頭集団を引っ張り、抜け出た中盤以降は後続を寄せ付けなかった。3年ぶりの栄冠を手にした西田宗城は「自分の特長を生かした走りができた」と勝利をかみしめた。
 11月の大分国際車いすマラソン大会で思うような結果が残せず「悔しい思いはレースで晴らそうと気合を入れて臨んだ」。スタート直後から「予想通り」に昨年覇者の渡辺勝や廣道純らと集団を形成したが、4往復するコースのうち2往復目で早々と勝負を仕掛け、先頭に立った。
 その後も衰えることなく快調にペースを刻み、2位以下に1分以上の差をつけゴール。昨年3秒差で渡辺に敗れた雪辱も果たした。「どれだけスピードをキープし、いかに後ろをばてさせるか。自分のレースができた」と勝因を分析した。
 来年はリオデジャネイロパラリンピックに向けた選考が始まる。昨年フランスであった世界選手権で10位に入ったが、「まだまだ力の差を感じた」と振り返る。年末年始は沖縄で調整し、来年は東京マラソン(2月)や海外のメジャー大会に出場する予定だ。「トップ選手に1人でも2人でも多く勝てるようにしたい」と、初のパラリンピック出場に照準を合わせる。(当山幸都)