与那国陸自配備 住民投票改正案 廃案に 資格年齢めぐり対立


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 【与那国】与那国町議会(糸数健一議長)は19日、与那国島への陸上自衛隊沿岸監視部隊配備の賛否を問う住民投票条例について、野党が提出した文言を修正する一部改正案を審議したが、外間守吉町長や与党が反対し、改正案は廃案となった。配備に反対する野党は改正案を再度提出する構えだが、配備賛成の町長・与党側は中学1年以上が投票できると定めた条例内容を改めるよう主張し、対立が深まっている。

 野党が提案した条例は11月17日に賛成多数で可決され、今月1日施行されたが、条文に不備があることが発覚した。実施されても無効になる公算が大きいが、町側は来年1月25日実施を視野に準備するとしている。
 19日は野党が提出した一部改正案を賛成多数でいったん可決した。だが、外間町長は異議があるとして審議をやり直す再議を直後に提起し、議長を含む再採決で改正案は否決、廃案となった。
 外間町長は住民投票の実施には前向きな姿勢を示した上で、投票資格者から中学生や永住外国人を除くことなどの修正を要求。だが野党側は応じていない。
 町長が「一度野党で廃案にし仕切り直すべきだ」と求めるのに対し、野党側は「成立した条例の誤りに気付きながら修正せず執行しようとする町長に問題がある」と反発し、リコールも視野に責任を追及する構え。住民投票が修正されるか、そのまま実施されるかは不透明な情勢だ。
 条例では「○の記号以外の事項を記載しないもの」は「無効とする」と規定され、何を書いても無効になる可能性がある。
 野党側はこの部分などを修正した一部改正案を提出した。
 だが町長は「文言の修正のみで、異議があるとした箇所の改正が盛り込まれていない。賛同できる条例ではない」と再議に付した。